2015-07-13

奇祭!!どろんこ祭り


愛媛県西予市城川町。松山からは、車(高速)で1時間半ほどのところにあります。

以前ご紹介した「しめ飾り」がつくられているのもここ西予市ですが、米どころとして知られるこの地域には興味深いお祭りや伝統神事が数多くあります。

そのひとつ「どろんこ祭り」。
会場は土居三嶋神社のこちらの神田で、毎年7月の第1日曜日に行われる神事です。


先ずは、「牛による代かき」から始まります。

牛が一列に並び力強く進みながら、土を砕き、泥をかき上げていきます。
機械化が進み今では見られなくなった牛の代かき、とっても貴重な光景です。


牛をこうして一列に歩かせることは、予想以上に大変なこと。
このために、牛もそれを先導する地域の方々も、たくさんの練習を積んだそうです。


土着的な人の営みと原風景、そこに流れる静かな時間。

タイムスリップしたかのような光景を前に、田中泯が踊りの始原を求めてインドネシアを旅するドキュメンタリー映画「ウミヒコヤマヒコマイヒコ」を思い出しました。


次は、「畦豆植え」という神事(活劇)。

4人の男性が出てきて、大豆を植える作業をするのも束の間、後ろの3人がサボり始めて…、なんと喧嘩が勃発!


それは次第にヒートアップしてきて、男たちは投げ合いに。
ドッタン、バッタン、ビッシャン!

プロレス技も繰り出されながら、大喧嘩は続きます。


ハァハァと息も切れ、やっと仲直りをしたと思ったら…、もう一悶着!←これもお決まりだそう。こんなに笑ったコント風の神事は初めて見ました。


そして次は「さんばい降し」。
無病息災、五穀豊穣を祈る神楽ですが、こちらもユーモアたっぷり。^ ^


3人の太夫たちが太鼓や舞いを披露する中、大番(だいばん)と呼ばれる天狗が登場。
仲間に入れて欲しくて、太夫たちにちょっかいを出し始めます。


真面目に演奏をする太夫たちの顔を至近距離でまじまじと見たり、足元で寝転んだり、そして案の定…ビッシャン!!


中盤は、太夫たちが泥の中に落されたり、引きずり込まれたりの繰り返し。
でも泥に入っても、突き落されても、泥まみれで真面目に演奏を続ける太夫たち。
その姿が本当に滑稽でした。


まさに私が大好きな、ドリフの世界。(そう例えると怒られそうですが)


大番は、観客たちにも泥をかけたり大暴れしますが、最後は仲間に入れてもらえて太夫たちと一緒に太鼓を叩き、神楽を奉納することができました。

最後は、「早乙女の手踊り」と「お田植え」。


こちらは可愛らしい子供たちが、舞台の上で「瑞穂踊り」や「城川踊り」を披露した後、神田に入り拍子に合わせながら、田植唄を歌います。


こんなお祭りが日本にあったのかという驚きで、終始開いた口が塞がらなかった私。

これまで見たお祭りの中でも、飛び抜けて面白い「奇祭」でした。日本のお祭り(神事)というのは、奥が深いものですね。日本の文化や風習を、また違った角度から見つめることができそうです。

ここ城川町でも、このお祭りは120年以上続いているそう。守り続けてきてくれた地域の方々に、心からお礼を言いたいです。

来年は、ツアーでも組んで観に行きたいな。^ ^



●どろんこ祭り
 http://iyokannet.jp/front/spot/detail/place_id/1477/